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警備業のプロが語る、防犯の最新事情【前編】

  • ebetsu-iwamizawa-k
  • 10月7日
  • 読了時間: 3分


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前回は、防犯と防災の全体像をお伝えしました。今回はその中から「防犯」に焦点を当て、近年の犯罪の傾向と最新の防犯機器について詳しく解説します。


1. 犯罪の多様化と新しい手口


侵入窃盗の変化

かつての侵入窃盗といえば「ガラスを割って侵入する」「鍵穴をピッキングする」といった物理的な手口が主流でした。しかし近年は、以下のような新しい脅威が増加しています。

  • 電子錠のハッキング:スマートロックの普及に伴い、無線通信を悪用した解錠手口が出現。

  • SNSの悪用:外出や旅行中であることをSNS投稿から把握し、留守宅を狙う。

  • 連続侵入型犯罪:地域一帯をターゲットに、短期間で複数の住宅を狙うグループ犯行。

商業施設での犯罪

  • 万引きの組織化:複数人で役割分担し、商品を持ち出す手口。

  • セルフレジの悪用:商品の一部をスキャンせず袋に入れるなど、テクノロジーの隙を突いた犯行。

こうした手口の巧妙化により、従来型の警備方法だけでは防ぎきれないケースが増えています。


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2. 防犯機器の進化と活用

AI監視カメラ

  • 特徴:従来の映像記録に加え、AIが行動パターンを解析し、不審行動を自動検知。

  • 効果:長時間の滞在、顔を隠す動作、繰り返し出入りする行為などをリアルタイムで検知し、警備員へ通知。

顔認証システム

  • 活用例:オフィスや研究施設など重要拠点の入退室管理。

  • 最新動向:マスク着用下でも高精度の認証が可能になり、商業施設では「常習犯のデータベース」と連携して警告を出すケースもあります。

ドローン警備

  • 用途:工場や倉庫、建設現場などの広大なエリアを効率的に巡回。

  • 強み:赤外線カメラによる夜間監視や、高所・危険箇所の確認に優れており、人の巡回を補完する力を持っています。


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3. 現場における課題

最新技術は非常に有効ですが、現場では次のような課題が残っています。

誤検知問題:AIが「不審」と判断しても、実際には問題がないケースも多い。

即応性の不足:機械は「異常を知らせる」ことはできても、その場で柔軟に行動することはできない。

導入コスト:中小企業や小規模店舗では負担が大きく、十分に普及していない。

したがって、防犯対策は「機械と人の役割分担」が不可欠です。AIが早期に異常を発見し、人の判断と行動でリスクを最小限に抑える。この組み合わせこそが現代の防犯の基本といえます。


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まとめ(前編)

防犯を取り巻く環境は年々複雑化しています。AIカメラや顔認証、ドローンといった技術は犯罪抑止に大きな効果をもたらしていますが、現場で最終的に頼りになるのは「人の目」と「判断力」です。

次回の【後編】では、実際の警備現場での取り組みや成功事例、さらにこれからの防犯の方向性についてご紹介します。

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