警備業のプロが語る、防犯の最新事情【後編】
- ebetsu-iwamizawa-k
- 10月15日
- 読了時間: 3分
前回の前編では、犯罪の多様化と防犯技術の進化についてご紹介しました。しかし、防犯は機器を導入すれば終わりというものではありません。現場での運用や人の対応力があってこそ、本当の効果を発揮します。今回は、防犯の取り組み事例と今後の方向性について解説します。

1. 警備現場での具体的な取り組み
(1) 商業施設の取り組み
近年、多くの商業施設で AI監視カメラと警備員の連携 が導入されています。AIが「不審行動」を検知すると即座に警備員の端末に通知され、警備員が現場で確認・対応。これにより「誤検知はすぐに解消」「本当の異常は迅速対応」が可能になりました。
成功事例として、ある大型ショッピングモールでは、AIと人の連携を開始してから万引き被害が前年比で約30%減少したケースもあります。
(2) 企業オフィスでの取り組み
オフィスでは「内部不正防止」にも防犯の目が向けられています。顔認証システムを使った入退室管理や、ログの自動記録は「情報漏洩」「不正持ち出し」の抑止に有効です。
あるIT企業では、退職者の不正アクセスを防ぐため、システムと物理セキュリティを連動させ、セキュリティレベルを飛躍的に高めています。
(3) 地域社会との連携
警備会社単独での防犯には限界があります。そこで近年は、自治体や地域住民との「協働防犯」が広がっています。
学校周辺での見守り活動
住宅街での巡回と情報共有
高齢者宅への防犯アドバイス
こうした地道な活動は、大きな犯罪抑止効果を発揮しています。
2. 防犯の今後の方向性
データとAIの融合
AIカメラが収集した映像データを蓄積・分析し、犯罪の発生傾向を予測する取り組みが進んでいます。将来的には「この地域は今週侵入リスクが高い」といった予測が可能になり、事前に巡回強化や重点監視を行えるようになるでしょう。
人と機械のハイブリッド化
「機械が発見、人が判断」という役割分担がさらに明確になります。AIやドローンは疲れ知らずで広範囲を監視できますが、状況に応じた柔軟な判断と対応は人にしかできません。この両者の強みを最大限に活かす仕組みづくりが、防犯の未来を支える柱になります。
利用者意識の向上
どんなに高度な防犯機器を導入しても、利用者が無防備では効果は半減します。
鍵のかけ忘れをしない
SNSに居場所や旅行計画を不用意に投稿しない
不審者や不審な行動を見かけたらすぐ共有する
一人ひとりの意識が「犯罪を寄せつけない社会」につながります。

まとめ(後編)
防犯の最新事情は、テクノロジーの進化と現場の取り組みが両輪となって進化しています。AI監視、顔認証、ドローンといった最先端技術は確かに強力ですが、最後に重要なのは「人の判断力」と「地域全体の協力」です。
これからの防犯は「機械に任せきりにしない、人と社会全体で作る安全対策」がキーワードになるでしょう。
警備業に携わる私たちは、これからも最新の技術を取り入れつつ、現場の声を大切にし、安心できる社会づくりに貢献してまいります。











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